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キャンプでのこと
78 名前:本当にあった怖い名無し 投稿日:04/06/20 14:10 ID:30I02T60
私は高校生の時、友達とキャンプをしに行きました。
友達のうちの一人が、穴場を知っていると言うのです。
さてそこに付いてみると、川の水は美しく、魚が沢山泳ぎ、風通しがよい、申し分のない場所でした。
初めてのキャンプで、こんな良い場所に来れるとは!という事で、すっかり浮かれ気味になった私達は、
まるで小学生のようにそこらへんを探検することにしました。

しばらく歩いていると、なにやら香しい香りがします。
見ると目の前に、鮮やかなピンク色の花畑が一面に広がっていました。
その美しさ、一種の神々しさに見とれて、しばしの間ぼうっとしていました。
「ねえ、これ摘んでもいいかなあ?」
「3、4本くらいなら…いいんじゃない」
今思うと、見たこともない花を摘むと言うのは、いけない行為なのですが、私達はそれを知っていながら、それを摘んでしまおうという気持ちに負けてしまいました。
美しい花に出会い、それを摘んできたと言う満足感に満たされ、その後のキャンプはとても楽しいものでした。
夕食後はランプに火をともし、雑談会。
最近のテレビの話、いやな先生の話、男の子の話、そしてつきものの怪談…。
私達は夜遅くまで、わいわいとしていました。





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ところがです。
いつもにぎやかでお笑い担当のMが、いつになく静かなのです。
「M、どうしたの、大丈夫?具合悪いなら、寝なよ」
「うん、大丈夫」
そうは言っているものの、顔は真っ青、身体を縮こまらせ、ガタガタと震えています。全然大丈夫そうではありません。
「だめだよ、今から家に帰る?」
「いいの、いいから」
皆心配して、Mによってきました。しかしなおもMは大丈夫と言い続けます。

「うるさあああい、痛いんだよおおお!」
いよいよMが苦しそうだと言うとき、Mはいきなり私達につかみかかってきました。そのときのMの顔は、人のそれではありませんでした。
そんな中、私の耳もとで誰かが何かを呟いています。こんなときに悪ふざけを!
「ちょっと!」
振返ると、そこにあるのは闇ばかり。
Mは白眼を向いて倒れてしまいました。見るとずれた服から見えるMの腹には、青いアザがくっきりとありました。
目を覚ましたMに事情を聞いてみると、
「急に腹が痛くなり、下したかなあ、と思っていたが、どうもそれとは違う。
そのうち、腹がさける様にいたくなり、しまいにはそこからちぎられる様な痛みが襲った。その後は分からない」
と言いました。
ただの病気ならいいでしょう、しかし、あの私達を襲ったMの顔…。
「何か」が憑いたのではないか、ということが、言わずとしても私達の中で一致していました。

「きゃあ!」
突然、メンバーの一人が悲鳴を上げて耳の後ろを押さえました。
「どうしたの?」
彼女は青い顔をして言いました。
「耳の後ろがむず痒いと思ったら、なにかが喋ってたの」
「…もう、寝ようか」
誰がともなく言ったので、皆それに従いました。
テントの中で私は、気を紛らわそうと持ってきたウォークマンで音楽を聞き始めました。

やっと落ち着いてきたときでした。
音とびがし、それに合わせて何かが聞こえます。さっきの、私の耳もとで呟いていた、「何か」の声です。
恐ろしさのあまりがたがたと身が震えます。
「…………イ」
いやだ、いやだ、と意味もなく呟いてみても、同じでした。
声が、段々、ハッキリと聞こえる様になってきます。
「…イ……イ」
耳からヘッドフォンを思いっきり抜き、寝袋にくるまりました。それでも、まだ聞こえてきます。
「イ…イジャ…イ」
涙が溢れ、耳を押さえても聞こえてきます。
そして、とうとう「それ」が何を言っているのかが、分かりました。
はっきりと、聞こえたのです。

「痛 い じ ゃ な い」

「きゃあああああ!!」
もう我慢の限界です。私は耳を押さえて叫びました。
「どうしたの!?」同じテントにいる子が、私に聞きました。
それに答えようとしたとき、急に腹が痛くなりました。それもただの痛さではありません、そこからちぎれてしまいそうな痛みです。
(痛い、痛い、死んでしまう!)
気絶しそうになるその瞬間、あの花の匂いが一瞬、漂いました。

目を覚ますと朝でした。友達が、心配そうに私の顔をのぞいています。
聞くと、私以外にも、「誰かが耳もとで呟いていた」と言った子、そしてもうひとり、
同じ様になった人がいたそうです。
一体、あれは何だったのだろうか?そう思いながら着替えていると、足下に、茶色いかさかさしたものが触れました。
拾ってみると、それは昨日摘んだあの花でした。一晩でこんなになってしまうなんて…?
そのとき、私の腹に、青いアザが一本あるとこに気がつきました。
そしてあることに気がつきました。
この症状が出たのは、この花を摘んだ人だけ、Mもそのひとり。
もしかして私は、摘んではいけないものをつみ、そのバチがあたったのではないのか…?

帰る前に、私は一人で、あの花畑へと行きました。相変わらず香しい匂いがします。
ですが、そこに感じられたのは、あのときの神々しさではなく、
一種の恨み…そのようなものでした。
今でも、そのアザは消えません。
多分、一生消えることはないでしょう。
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