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彼女がいない友人
292 本当にあった怖い名無し 04/10/14 21:11:08 ID:BOyHxCgw
友人のもり君には、彼女がいない。もてそうな奴なのに、と不思議に思っていた
ある日、二人で飲みに行く機会があった。気になってそのことを訪ねてみると、
彼は黙り込んでしまった。聞いちゃいけなかったかなあと思っていたら、家に
遊びに来ないかと誘われた。気を悪くしてないことにホッっとして、僕は素直に
申し出を受けた。





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酔っていたから定かではないけれど、アパートに着いたのは夜の1時前くらいだったと思う。
もり君は鍵を開けると、不思議なことを言った。
「中に入ったら内側から鍵を閉めるから、この鍵で外から開けて入ってきて」
怪訝そうな顔をすると、内側からかける鍵が壊れていないか調べたい、と言った。
僕はお安い御用と、彼が中からドアを閉めた後から鍵を回して部屋に入った。

本当は、ここで彼がしようとしていることに気づくべきだった。

僕は部屋に入ると、彼と再び酒を飲みながら話すつもりだった。
しかし、酒が水みたいに感じる。僕は、なんだかその部屋にいるのが
嫌だった。胸騒ぎがする。胃が浮き上がっているような感覚が止まらない。
こちらの気分が伝わったのか、彼の口調も重い。
僕は部屋に入ってからずっと気になっていることを、彼に軽い調子で
訪ねたかった。


だんだん、家に帰りたくなってきた。彼の家に来てから30分もしない。
もう真夜中だから電車なんかない。それでも僕は、家に帰りたくてたまらなかった。
それくらい、その家にいるのが嫌だった。

その時どんな言い訳をしたのかは覚えていない。動揺していたんだと思う。
だから、彼が僕を引き留めないことにも疑問を覚えなかった。
僕は逃げるように、タクシーで家に帰った。

301 本当にあった怖い名無し 04/10/14 21:41:44 ID:BOyHxCgw
今思い起こせば、最初の鍵が問題だった。あれの意味は、僕にドアを鍵で開けさせる
ことにあったのだ。鍵でドアから入り、最初に出て行くこと。
ついこの前、彼女が僕のアパートに遊びに来た。そして、僕があの晩頭の中で彼に訴え続けた
疑問を口にした。

「玄関のハイヒール、誰よ」

僕は、今夜にでも家に友人を呼ばなければならない。
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