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時報
935 :本当にあった怖い名無し:2006/08/29(火) 17:23:42 ID:ouZ+ctOU0
二人の高校生が居たんだ。名前は仮に…AくんとBくんとしようか。二人は、クラスも部活も同じの親友同士だ。
入っていた部活は"心霊について研究する会"。俗に言う、"オカルト研究会"ってやつだね。
そんな部活に入っていただけあって、二人は幽霊とか予言とか…そういう超心理的なものを信じる性分だったんだ。

ある日のこと。二人はちょっと急ぎ気味で帰宅中だった。文化祭の準備が長引いたせいで、帰りが遅くなってしまったんだね。
一応大通りを歩いていたから周囲は明るかった。だから…Aくんは"それ"を見つけてしまったのさ。
A「おい、B!あれ見ろよ!」
B「え、なになに?」
急いでいるとはいえ、突然見てみろといわれたら見てしまうのが人の性分だ。Bくんはぱっと指されたほうを見た。
そこには、『占』とだけ書かれた看板をかかげた小さな出店があった。そして、黒いフードを被った変な占い師が奥に座っていたんだ。
A「占いだってさ!行ってみようぜ!」
急いでいるというのに、Aくんはさっさと出店の方へ走っていってしまった。
B「おい!ま、待てよ!」
仕方がないからBくんも後を追ったんだ。今思えば、意地でも止めておけばよかったのにね。




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占「…いらっしゃい。」
占い師は、見かけを裏切らない奴だった。お客が来たというのに顔も上げず、声もなんだか電子的な声だったんだ。
ただ、妙なことに…その声、どこかで聞いたことがある声だったそうだ。まあ、どこで聞いたかは思い出せなかったらしいけど。
A「占い、してくれるんですよね?」
Aくんは弾んだ声で聞いた。こういうのが好きだから"オカルト研究会"なんかに入ったんだ。ある意味当然なんだろうね。
だけど、話しかけられた占い師の方は、どこか遠くを見つめているようで、Aくんの声なんか耳に入ってない様子だった。
A「あの!占いやってるんじゃないんですか?」
Aくんがすこし声を荒げた。すると占い師は、唐突に口を開いたんだ。
占「7時30分・・・ちょうど…」
AくんもBくんもぽかんとしてしまった。目の前の人間が、唐突になんの脈絡もないことを言い出したんだからね。
ふとBくんは、何の気なしに腕時計を見た。時刻は7時29分。30分じゃない。まあ、そんなことはどうでもよかった。
B「おいA、帰ろうぜ。気味わりぃよ。」
A「あ、ああ…そうだな。」
どうやら占ってくれる気もなさそうだし、二人は少々拍子抜けした感じで帰ろうとしたんだ。そしたら、その瞬間…

ドン!と大きな音が響いた。二人がはっと音のしたほうを振り向くと、そこにはトラックが停車していた。
だけど、それは別に重要なことじゃない。二人はトラックの下に目を向け…息を飲んだ。
トロトロと…ゆっくり地面から染み出すように、赤い液体が流れ出ていたんだ。間違いない。血だ。
Bくんは、今度は意識的に、急いで腕時計を見た。時刻は7時30分。ちょうど10秒を回ったところだった。
B「お、おいA!」
A「!…あ、ああ!行こう!」
呼びかけられただけで何かを感じ取ったのか、Aくんもすぐに立ち去る構えを見せた。
そしたら占い師が…また口を開いたんだ。今度は、長く骨ばった人差し指を…Aくんに向けて。
占「12時…ちょうど…」

二人は急いでその場を離れた。二人とも真っ青だった。得体の知れない恐怖って奴を目の当たりにしたんだ、当然だよね。
自宅の近くに来るまで、二人とも黙ったままだった。でも、あまりにも重い空気に耐えられず、BくんはAくんに話しかけたんだ。
B「…あんまり、気にするなよ?」
さっきの占い師の話だった。「12時ちょうど。」占い師は確かにそう言った。Aくんを指差してね。
A「…ああ。」
暗い声だったけれど、Aくんは返事を返した。Bくんの家が見えてきたので、二人はそこで別れたんだ。

Aくんが家に帰ると、リビングに夕飯の用意とメモが残されていた。
 「今日は帰れません。夕飯はこれで済ませてください。母より」
Aくんは、予言されたときを一人で待つことになったわけだ。

夕飯と風呂を済ませてベッドに入ったけど、Aくんは眠れなかった。何故か目がさえてしまっていたんだ。
ふとAくんは、ベッド脇の目覚まし時計を見た。時計は9時ちょうどを指していた…あと3時間ってこと。
A(…あんなの…あんな交通事故…きっと、偶然さ。)
Aくんは自分を励まして、眠ろうと努力した。冷や汗を大量にかいていたけど、それも気にせずにね。

夜中。Aくんは異様な雰囲気を感じて目を覚ました。いつの間にか眠ってしまっていたらしい。
Aくんは慌てて時計を見た。時計は…9時ちょうどを指していた。
A「…え?」
Aくんは目を疑った。なんと時計が止まっていたのである。
異常な不安に駆られたAくんは、急いで部屋を出て、廊下にある電話を取った。
本当はリビングにある時計を見たほうが早いんだけど、気が動転していたんだろうね。彼は時報を聞こうとしたんだ。

  「プ…プ…プ…ピーン…午後…11時57分…20秒をお伝えします…」

A(あと3分!)
Aくんは思わず身を強張らせた。12時ちょうどに何が起きるのか…時報を聞きながら、Aくんは座り込んだ。
  「午後…11時58分…ちょうどをお伝えします…」
  「午後…11時58分…30秒をお伝えします…」
12時が刻一刻と迫る中、Aくんは妙なことに気がついた。
A(この声…どこかで…)
  「午後…11時59分…ちょうどをお伝えします…」
  「午後…11時59分…30秒をお伝えします…」
A(…そうだ…あいつの声…)
そう、あいつ。誰だなんて言わなくてもわかるはずだ。
  「午後…11時59分…50秒をお伝えします…」
A(あと10秒…9…8…7…6…?今、なんか音が…)
  「プ…プ…プ…ピーン…」
時報が、12時ちょうどを告げた瞬間、Aくんの後頭部に衝撃が走った。
Aくんは、悲鳴をあげる暇もなくその場に倒れ伏した。
薄れ行く意識の中、Aくんの耳に時報が流れ込んでくる。

  「……後……時………分…1…秒を…・…え…ます…」

明朝。Aくんの両親が帰ってきた。廊下に倒れているAくんを見て、二人は急いで駆け寄ったんだそうだ。
Aくんの亡骸は、頭に包丁を突き刺された凄惨なものだった。母親は気を失い、父親も呆然と立ち尽くした。
ちょうどそのとき、外れていた受話器から…唐突に、声が流れ出したらしい。

  「…死後…6時間…13分…40秒を…お伝えします…」
  ピッ。ツーツーツー…



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